土師ダム 低位放流設備工事
主ゲート形式 | 引張りラジアルゲート |
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御発注者 | 中国地方整備局様 |
工事期間 | 平成18年3月~平成20年3月 |
工事番号 | 49G-0084 |
土師ダム低水位放流設備は、平成20年3月に完成しました。
[はじめに]
土師ダムは、堤高50m、堤頂長300mの重力式コンクリートダムです。
国土交通省中国地方整備局により建設され昭和49年3月に完成しました。
本工事は、既設土師ダム堤体に孔をあけ、新たに放流設備1条を追加設置したものです。
[引張りラジアルゲート]
引張りラジアルゲートは、放流管下流端に設けられた円弧状の扉体により止水するゲートです。
従来の高圧ラジアルゲートが水圧荷重を脚柱の圧縮荷重で支持する構造であるのに対し、逆転の発想のもとに“引張りに強い”という鋼材の特性を生かしたゲート構造です。
■ 通常のラジアルゲ-ト | ■ 引張りラジアルゲート |
[設備仕様]
本設備は、①主ゲート(引張りラジアルゲート)②予備ゲート(高圧ローラゲート)③円形放流管により構成されています。
■ 主ゲート(引張りラジアルゲート)
形 式 | 引張りラジアルゲート |
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設置数 | 1 門 |
水密方式 | 前面4方ゴム水密 (B1方式) |
開閉方式 | 油圧シリンダ方式 |
開閉速度 | 0.3m/min |
扉体主要部材質 | ステンレス鋼(SUS304) |
操作方式 | 機側及び遠方 |
■ 予備ゲート(高圧ローラゲート)
形 式 | 高圧ローラゲート |
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設置数 | 1 門 |
水密方式 | 後面4方ゴム水密 |
扉体主要部材質 | 溶接構造用圧延鋼材(SM400A) |
■ 円形放流管
形 式 | 円形ベルマウス形コンクリート埋設鋼管 |
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数 量 | 1 条 |
管内径 | φ3510~φ2700 |
放流管主要部材質 | ステンレス鋼(SUS304) |
[構造確認~施工に際しての弊社の取り組み]
引張りラジアルゲートは新しいタイプのゲート形式であることから、設計に先立ち、構造に関する実験・確認を行いました。
本設備主ゲートを施工するにあたり、検討・確認したポイントを次に記します。
- 全閉時および半開時における良好な水密性能の確保
- 高水深下における円滑なゲート動作の確保
- 水圧荷重を確実にダム堤体へ伝達するための構造の確認
[状況写真]
■ 工場製作
■ 現地据付