秋山頭首工 土砂吐きゲ-ト設備
ゲート形式 | ライジングセクタ式 |
---|---|
御発注者 | 宮城県 栗原地方振興事務所様 |
工事期間 | 平成17年11月~平成21年1月 |
工事番号 | 49G-3016 |
ライジングセクタゲ-トとは、Rising(上昇する)Sector(扇形)のゲ-トという意味です
スライドゲ-ト、ロ-ラ-ゲ-ト等と同じく形式・構造を意味する形式名です。
ロンドン市内テムズ川に設置された防潮ゲ-トの構造をベースに研究され、日本で取水堰用として開発された新しいゲ-トです。
※ 平成21年現在、全国にすでに10ヶ所の事例があります。
越流状況 | 下端放流状況 |
[ライジングセクタゲートの特長]
1.操作が簡単!
扉体の回転動作で、上昇(越流⇒下端放流への切換)、下降(下端放流⇒越流への切換)が出来るので、従来の2段式ゲートのように上段扉、下段扉のそれぞれの操作切換が不要です。これにより、洪水時でもスピーディに操作が出来ます。
2.排砂性能に優れる!
独立行政法人農業工学研究所の「取水堰土砂吐用ライジングセクタゲートの開発」の水理模型実験結果によると、上流域のフラッシング範囲は2段式ゲートの“4倍程度”広い範囲で排砂効果があることが確認されています。
3.開閉装置の維持・管理が容易!
開閉装置は油圧モータラック式で、コンパクトな減速機付き油圧モータと油圧ユニットで構成されています。引上げ式ゲートの電動ウインチ式と比べ構成部品が少なく、部品配置がシンプルなので維持・管理が容易です。
4.低周波振動が発生しない!
越流水と扉体背面板が剥離せず空洞部が発生しない構造なので、小越流時の圧力変動による低周波振動が発生しません。空洞部が発生しないので、水切り材(スポイラー)が不要です。したがって、ゴミの引っかかりがありません。
5.門柱、操作台が不要でコスト低減が可能!さらに地震に強い!
扉体の回転駆動は、端部の円盤桁のラックピンをギアで回転させる方式なので、引上げ式ゲートのような大きな電動ウインチ、これを支持する門柱、操作台が不要でコスト縮減が可能です。さらに、トップヘビーな構造物がないため、地震にも強い構造体です。
[設備概要]
扉 体 | |
---|---|
形 式 | ライジングセクタゲ-ト |
純径間 | 10.700m |
扉体止水高 | 3.100m |
端部桁直径 | φ6360mm |
設計水位 | 上流:計画高水位 KP=31.791 下流:KP=28.450(全開時背面板高) |
操作水位 | 設計水位と同じ |
水密方式 | 前面三方水密 |
開閉装置 | |
---|---|
形 式 | 油圧モ-タラック式(左岸片側駆動) |
開閉速度 | 約0.3m/min(鉛直平均速度) |
電動機 | 7.5kw(200V,50Hz) |
油圧ユニット | 油圧ユニット(電動機・方向切替弁二重化) 可変容量ピストンポンプ 22リットル/min 定格圧力 14MPa タンク容量 400リットル |
油圧モ-タ | 減速機付きアキシャルピストンモ-タ (湿式多板ブレ-キ付き 加圧ブレ-キ開放型) |
作動油 | 生分解性作動油(ホウコクエコリバ-オイル) |
[全体図]