大保ダム取水設備 製作据付工事
形式 | 側壁付ベローズ式取水ゲート |
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御発注者 | 沖縄総合事務局 北部ダム事務所 様 |
工事期間 | 2008年2月~2009年3月 |
工事番号 | 51G-5013 |
北部ダム事務所様が表彰されました。
社団法人全日本建設技術協会において、特出した成果の得られた事業及び施策を表彰する全建賞を、「大保ダムベローズ式選択取水設備の開発」が受賞。
内閣府沖縄総合事務局北部ダム事務所様が表彰されました。
[はじめに]
大保ダムは、大保川水系大保川の大保大橋より上流約2.9kmの地点に建設されたもので、洪水調節・下流河川の適正な流量の確保・水道水の供給を目的とする多目的ダムです。
北部ダム事務所様では、ライフサイクルコストの縮減を図るために [選択取水設備] を対象に新技術の提案を募集され、新発想の『ベロ-ズ式選択取水設備』が採用となりました。
ベロ-ズ式選択取水設備は、弊社にとっても初めての経験であり、詳細設計を進めていく中でいくつかの課題が浮上しました。これらに対し、弊社は解決にむけて全力で取り組みました。
[設備の特徴]
■新技術の活用
選択取水設備にベロ-ズ式が選定されました。
『ベロ-ズ式選択取水設備』
従来のダムで実績の多い円形多段式選択取水設備の“鋼製円形ゲ-ト”の部分を、ゴム引き布製のシート及びステンレス製のリングにより構成された“蛇腹構造(ベロ-ズ式)”に置き換えた設備です。
この、ゴム引き布製シ-トをダム用選択取水設備に採用することは、日本で初めての試みです。
従来型(鋼製円形) | 新型 |
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■ベロ-ズ式選択取水設備の利点
- ライフサイクルコストも含めたコストの低減
- 主材料となるゴムシ-トは、安価で軽量、耐久性に優れています。
- 扉体が軽量であり、開閉装置の規模も小さくできるので、維持管理費も小さくできます。
- 円形多段式選択取水よりも利用水深が多くとれる
- ベロ-ズ式なので扉体の全縮高を小さくできます。このため低い水深まで連続して取水ができます。
- 水密性に優れている
- ベロ-ズが連続しているため高い水密性を確保できます。このため、選択取水効果を低下させる冷水や濁水の混入がありません。
[設備仕様]
ダム諸元 | ||
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形 式 | 本ダム 重力式コンクリ-トダム 脇ダム ロックフィルダム |
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堤 高 | 本ダム 77.5m 脇ダム 66.0m |
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堤頂標高 | 本ダム EL 73.5m 脇ダム EL 75.0m |
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総貯水容量 | 20.050.000 m3 | |
有効貯水容量 | 19.350.000 m3 |
取水ゲート | |
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形 式 | 側壁付ベロ-ズ式取水ゲ-ト (蛇腹状のゴム引布製胴部を有するダム用取水ゲ-ト) |
門設数 | 1門 |
最大取水量 | 2.222 m3/s |
取水深 | 0.8m + かぶり水深 0.3m |
取水範囲 | NWL. 68.000 ~ LWL.23.000 (利用水深45.0m) 選択取水:NWL.68.000~WL.28.000 引上取水: WL.28.000~WL.23.000 |
設計水位差 | 3.000m |
開閉装置 | |
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開閉方式 | 電動ワイヤロープウィンチ式 |
開閉装置台数 | 1 台 |
保安ゲ-ト | |
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形 式 | 取水ゲ-ト内臓型 |
制水蓋 | |
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形 式 | 鏡板構造 |
休止台車 | |
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形 式 | 鋼製横転ロ-ラ式休止台車 |
開閉装置駆動方式 | チェ-ンラック式開閉機 |
底部取水管 | |
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形 式 | ステンレス鋼製ベルマウス付円形管 |
[図面]