才歩川(サイカチガワ)水門 設備工事
ゲート形式 | 円弧型ローラゲート式 |
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御発注者 | 信濃川下流河川事務所様 |
工事期間 | 平成15年11月~平成17年9月 |
工事番号 | 46G-4078 |
信濃川水系信濃川下流の右支川 才歩川は、周辺の土地が低平地で川の面積が小さいため、昔から慢性的な浸水被害が生じていました。
国土交通省及び新潟県は、才歩川の流下能力を毎秒30tから110tに増強し、床上浸水被害の解消を図るため平成14年度に床上浸水対策特別緊急事業に着手されました。
本水門は、洪水時に信濃川(本川)から才歩川(支川)への逆流防止を目的とした水門です。
道路線形がクランク状で、ドライバーの視野を確保するため水路より上方に構造物を突出させないゲ-ト形状及び動作方法が必要であったため、国内最大規模の円弧型ゲ-トが採用されました。
※ 本工事は平成17年度完成 優良工事〔事務所長〕表彰を受けました。
[特 徴]
扉体の開閉動作は、円弧状に設置した戸当りに沿って,水路敷高+2.0mの点を回転中心として昇降する。スキンプレ-ト面における回転半径は7.0mであり、全開時も水路内に扉体が収まる構造。
1.扉体は円弧運動
扉体の左右端に取付けた油圧シリンダーの直線運動で扉体を円弧運動させます。扉体と戸当りは円弧中心を同一点とした同心円で、全閉~全開間の回転角度は69.5°です。
2.全開時は高さ約2.1mの間に扉体と油圧シリンダーを格納
全開時に水路天端より上方に何も突出させないこと、ならびに、下方の通水側に流れの阻害とならないように、全開時に高さ約2.1mの空間内に扉体と油圧シリンダーを格納させています。
3.自重降下
ゲート駆動電源は、商用電源の他、自家用発電機も設置されていますが、万一の不測事態では、電源を必要しない扉体の自重(約75.0tf)降下が可能です。
4.緊急ジャッジ内臓による開度1.0mの開操作が可能
逆流防止ゲートは本川から支川への逆流を防止することが目的のゲートです。
しかし、洪水後の開操作が不能となったり、操作遅れを生じると内水位の上昇による上流域の冠水を招いてしまいます。
本ゲートには扉体下端に2本の緊急ジャッキを内蔵させ、油圧シリンダーとは別系統の専用油圧ユニット、高圧ホースにより、開度1.0mまでの緊急開操作が可能です。
[設備概要]
形 式 | 鋼製プレートガーダ構造円弧型ローラゲート |
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門 数 | 1門 |
純径間 | 14.700m |
呑口高 | 7.250m |
ゲート敷高 | TP+1.577 m |
設計水位 | 外水位 7.250 m (TP+8.827 m = 信濃川HWL+沈下量0.15m) 内水位 0.000 m (TP+1.577 m = ゲート敷高) |
操作水位 | 開時外水位 6.250 m(TP+7.827 m = 信濃川HWL+沈下量0.15m-1.0m) 開時内水位 7.250 m(TP+8.827m = 信濃川HWL+沈下量0.15m) 閉時外水位 7.250 m(TP+8.827 m =信濃川HWL+沈下量0.15m) 閉時内水位 6.250 m(TP+7.827 m =信濃川HWL+沈下量0.15m-1.0m) |
水密方式 | 前面四方ゴム水密 |
開閉方式 | 油圧シリンダー式 |
揚程 | 操作時最大揚程 7.583m(水路高さ7.250m以上) |
開閉速度 | 電動時 0.3m/min(鉛直方向の平均速度) |
[側面図]
[現場風景]
■ 工場製作
■ 現地据付
■ 完成